ICC参加レポート 14/15
石島です。レポートその14。
いよいよ最終日、1000人のチェロ本番です。
2005/5/22
<1000人のチェロ リハーサル>
3番パートで、私の前の2つの席のうち1つの参加者(韓国の方だろうと思う)が結局来なかったので、私がその席に移動し、椅子を一つ撤去して空いた空間を近所で分け合ったため、ずいぶんと弾きやすい余裕ができた。
結果的に私の前が山崎伸子さん、その前が堤剛さん。
右前にはイチ押し石坂団十郎さん、その前は超人ダヴィッド・ゲリンガスさんという、これまでもまたこれからも二度とないであろう風景。
精鋭選抜メンバで弾く三枝さんの曲を初めて聴くが、とても見事に演奏する世界中のプロと卵たちに驚愕。
目の前にいる山崎さんと団十郎さんからは、細かい音の粒まで一粒一粒がきらびやかに放たれる。
本当に、信じられないような音量と表現力。
最近弱くなった涙腺からは感動でまた涙が。
<第3回 1000人のチェロ・コンサート>
いよいよ本番。
全10曲、アンコールなしの演奏会であったが、終わってみれば、あっという間のことであった。
十分に楽しみながら弾けて満足。
ここでもハプニングが一つ。最後から2曲目であるシェドリンの
ハムレット・バラード(委嘱作品、世界初演)でのこと。
「鐘のように」鳴らせと指示のあるピチカートで、団十郎さんからバルトークピチカートのような音が。
練習では一度も出さなかったのにな、などと思っていたのだが、曲が終わるとペグを巻きだしたのであった(曲が終わるまでは普通に弾き続けていた)。
何チューニングやってんだろう、と思ったら、切れたA線をはずしているではないか! あの音は弦が切れた音だった。
団十郎さんは横の山崎さんに笑顔で(やっちゃったよ)みたいな表情。
山崎さんは「強くはじき過ぎよ」と英語でにこやかにお返事。
その他の3弦の、おそらくボロボロに狂っているであろう調弦を
直すそぶりもなく(時間もなかったのだが)、最後の曲に突入。
かなり高い音も出てくるのだが、残りの3弦で弾くしかないんだ、などと団十郎さんが気になって自分の演奏への集中が若干抜けた演奏となってしまった。
落ちたり間違ったりすることはなかったのであるが。
あの切れた弦の名前はですね、、、いやいや、こんなところには書けません。
その後、演奏した場所で勝手なミニ撮影会などが行われたり、私もこれぞチャンスとばかり演奏服姿の愛しのマリア・クリーゲルさんとツーショット、これまでの痩せ我慢が開放されたミーハーぶりであった。
「写真、一緒に撮って頂いていいですか」と尋ねたらクリーゲルさんは「あなた、知ってるわよ。
マスタークラスでも見たし、アンサンブルサロンでも指揮してたでしょ」と突然のお友達状態。ううむ、クリーゲルさんの記憶力恐るべし。
こんな調子で音楽もガンガン暗譜してしまうのであろう。
今回はここまで。次のレポートで最後だ。