ICC参加レポート 8/15
石島です。レポートその8です。4日目に入りました。
2005/5/19
<クリニック>
この日は林俊昭さんに、私と中3の女の子がクリニックを受講。
中3の女の子は立派なもので「若いんだから、これからいろいろな技術を身に付けなさい」との指導を受けた。
私のは恥ずかしいので省略。
この時、同時進行クラスでは山田光義さんがグリーンハウスさんのクリニックを受講されており、「十分に恥をかいた」と、ご本人はおっしゃっていましたけれど。
私が自分のは書かないのは棚に上げて、山田さんのクリニックはいかがだったのでしょう。
<マスタークラス>
まずは林俊昭さんによるアルペジョーネソナタ。
受講者は日本の音大生(女性)。指摘は以下のような点。
・この曲は難しいのではずしやすい箇所がたくさんある。絶対にはずさないような天才は別として、一般的には「如何に音をはずさないか、はずす確率を低くするか」ということを工夫することが大事であり、そのためにはいろいろなパターンを数多く練習して、はずさない自信をつけなさい。
・私(林さん)がかつてフルニエさんに師事していた時には、フルニエさんは音をはずさないことに対して、本当に自ら注意して実践していた。「たまたま今は取れたけれど、その取り方で100回やったら何回ミスる?」「将来、年を取ってもその取り方で取れると思うか?」「安全な取り方を考えなさい」などと指導された。
どうしても難しい取り方しかない、というフレーズは別として、弾こうとするフレーズについて「より安全な取り方はないか」と模索するというアプローチは、アマチュアにとっても重要なポイントですね。
既に皆さんやられているとは思いますが。
次に斎藤建寛さんによるバッハの2番(プレリュード、ジーグ)。
こちらも受講者は日本の音大生(男性)。
かわいらしい女性ではなかったためか、残念ながらメモと記憶が欠落。
最後はマリア・クリーゲルさんによるシューマンのコンチェルト。
受講者は3連続で日本の音大生(女性)。
早いパッセージなど、親指ポジションでの移動について「ここはこう」というように、クリーゲルさんが自らゆっくりと何度も動きを(ポイントを)見せて指導するという、非常にわかりやすい指導。
そ
れらはこの曲のこのフレーズだけの話でなく、普遍的に応用できるものであり、非常に有用。また細かい指使いでも「ここのところは、この音を弾く時にこの指は離して、ここは叩く。
そうするとしっかりと音が出る」という技術的なコツを数多く伝授。
これらは文章にするのが難しいので、それ以外のコツや核心をいくつか。
・指に不必要な力が入って固まっていると、ビブラートが上手くかからない。小指1本でも弦を押さえることができる筋力を鍛えることは必要だが、不要な力を抜くことが絶対に必要。
・難しい、怖い、と思うと体が不自然になって、思うとおりに動かない。コントロールできるように練習で訓練すること。それが自信にもつながる。
・例えば、コントロールする練習として「広い跳躍」があるが、頭の中で(指板の)音の地図を描いて、ある指のポジション移動を意識して動かせば(1の指で下の音を、3の指で上の音を取る場合など)、音の跳躍ほど手は移動しないことがわかる。これはハイポジションから更にハイポジションへの、頼りになるものが少ない場合には特にであるが、地図を意識することが大事。
いや本当に、実にためになります。愛しのクリーゲルさまさま。
今回はここまで。あと何回で終わるだろうか。